1.予習よりも復習重視型
学校でも塾でも、授業を聞いたら『わかった』という感覚になるが、実際に問題を解くと、
『できなかった』という体験をした人は多いと思います。
そう、『わかる』と『できる』は違うのです。
学校の先生や塾の先生はわかりやすく説明するプロです。
授業では、解説をわかりやすく教えてくれる。だから聞いている側は『わかった』つもりになりがち。
このとき、この感覚のまま、家庭学習をおろそかにすると、いざテストのときに問題が解けなくなる。
『わかる』はその時だけの出来事、『できる』はその時から継続的な出来事だととらえてもらいたい。
では、『できる』ようになるためには、どうすればよいか。
それは、しっかりと復習すること。復習の仕方を具体的にみていこう。
①教科書の問題をもう一度解く
学校で解いた問題を、もう一度、家で解くこと。このとき、スラスラとできれば問題ないが、つまずいて
しまった問題も出てくると思う。そこで、自分で教科書の問題をレベル分けしておくことをおすすめする。
このように書くと、なんだか専門的で小難しい感じを持たれるかもしれないが、次のようにすれば、
いたってシンプルである。
それは問題番号に印をつけていくことである。
スラスラと解けた・・・○ 時間がかかったが、なんとか解けた・・・/ 解けなかった・・・×
【例】○(1)yが2乗に比例し、x=2のとき、y=8である。yをxの式で表せ。
/(2)y=3xで、xの値が3から6まで増加したときの変化の割合を求めよ。
このように、問題番号の横に印をつけることで、テスト前の学習に多いに役立つのである。特にxの問題は、学校の先生や塾の先生に解き方を個別に聞いておくように。
ちなみに、/や×のついた問題は、日にちをおいて、もう一度解きなおしておくこと。
このとき、スラスラとできたなら、消さずに/や×の上から○を書いておくこと。
もちろん、問題集やワークにも同じように印をつけておくとよい。
②途中式は省かない。「急がば回れ」の精神で
計算問題(もちろん、簡単な計算の場合などは問題ないが・・・)を解く場合、カッコがついた式や分数混じり、四則計算、方程式などの計算はしっかりと途中の式を残すこと。
もし間違っていた場合、途中式を見ることで、自分がどのようなミスをしているのかが、客観的に判断できるのである。自分の計算ミスの傾向を知ることで、注意力がつき、正答率が上がるわけだ。ほとんどの人が途中式を書きたがらないが、最初の1週間だけ我慢すれば、自然と習慣化される。もちろん、正答率が上がれば、途中式を書かなくてもよくなり、おのずとスピードも上がってくる。
③関数や図形問題は、自分で図を書き直すこと
教科書や問題集のグラフや図は、自分でノートに描き写すようにする。描き写す作業により、文章からではなかなかつかめなかった情報が、描く作業を通じて見えてくることがある。これは、特に証明問題では効果が期待できる。図形の見方がわかってくるはずだ。また、わかっていることは、全て図に書き込むこと。書き込むことで、いちいち問題文を読み直すことなく、図をみるだけで、状況がつかめるようになる。時間短縮にもつながる。家庭学習では色ペン(多くても3色)を使っても良い。復習するときは、授業の様子などを思い出しながら(このとき、先生は○○とか言ってたよな等)勉強するとよい。学校の授業をまず大切にすること。
3.定期テストに向けた勉強の仕方
定期テストに向けた勉強で気を付けていただきたいのが、提出物に追われないということ。
明日が数学のテストだというのに、前日まで提出物を仕上げるのに時間をかけているようではいけない。提出物は、少なくとも、テスト2日前までには終わらせておくことが大事だ。「提出物を仕上げる=テスト勉強をした」とは全くならない。
本当のテスト勉強とは、自分の苦手なところを何度も何度も何度もチェックし続けること。
そこで、前述したように、印をつけたことが威力を発揮する。/や×のついたところを何度もやればいいことになる。(もちろん×や/のところも)。
最後に
数学は、できれば毎日復習に時間をとっていただきたい。
そして、どんなわからない問題が出ても、3分はじっくり自分の力で解き、考える。
何もせずわからないからといって、すぐ答えを見たのでは、何も頭に残らない。
自分であれこれと考えることで、解答をみたり、聞いたりしたときに、「なるほど、そういうことか」と新しい発見をし、感動をするはず。感動すれば、記憶に残る。
同じような問題が出たときに、十分に戦える力が付く。頑張ってください。